プロセッシング行程
FIDに
・ドリフト補正
・トランケート
・窓関数(アポダイゼーション)
・ゼロフィリング & 線形予測
を施し、
フーリエ変換 時間波形から周波数波形に変換
横軸を周波数 or ppmに返還したら、
・位相補正
・ベースライン補正
・スムージング
の中のトランケートとは何をしてるのでしょうか?
Truncate : 切り捨てる
Trancation : 切り捨て
いったい、何を切り捨てているのでしょうか?
トランケートを実行後のFIDはこんな感じ。
なぜ、こんなことを?
トランケートが活躍するのは、
FIDが0まで減衰する時間の長い化合物を測定するときです。
化合物によっては、長時間かかってようやく0に収束するFIDになることもあります。
例えば、待ち時間を5秒取って測定をしているとします。
しかし、5秒ではFIDは完全に減衰しておらず、
減衰途中で次の測定のパルスが照射されていまいます。
そうすると、正しいスペクトルが得られません。
では、FIDが収束するまで待ち時間を多くとって測定すれば良いのでしょうか?
もちろん、これが一番良い方法なのですが、
それでは一つの化合物の測定に時間がかかってしまいます。
数回の積算を重ねてS/N比を向上させたいので、
パルス照射から次のパルス照射までの時間を多くとりたくないという事情があります。
FIDの前半はスペクトル情報が多く含まれますが、
後半はノイズが大きな影響を与えてしまいます。
そんなとき、FIDの後半を思い切ってトランケート(切り捨てて)してしまいます。
FIDのデータ収集時間内に収束しないものを、強引ですが0に収束させてしまいます。
このまま、フーリエ変換すると、
ピークの両端にギザギザが発生してしまい、これまた正確な解析ができません。
ですので、ゼロフィリングと線形予測が必要になります。
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