2013年9月30日月曜日

SMASH 2013

先週はスペインで行われたSMASH 2013に参加してきました。

最先端の研究発表が聞けたのと、
Mnova開発元であるMestrelabとのミーティングで
有意義な時間を過ごしてきました。

飛行機を3本乗り継いでいく旅 (出張)は
体には少々辛いものの、
途中の国や街に立ち寄ることができて楽しいものです。


http://systemplus.co.jp/mnova/
 

2013年9月18日水曜日

アポダイゼーション 3 (Apodization)


Mnovaには多くの窓関数が用意されています。

Exponential
Gaussian
Sine Bell
Sine Bell Square
TRAF
Trapezoidal
Parabolic
Hanning
Convolution Difference
Linear Ramp
など。

 


これらのパラメーターを自由に設定でき、
組み合わせて使うことで、
ユーザの求める処理が可能です。


各窓関数では、
FIDのどの部分の影響を強調し、どの部分の影響を減少させるのかを決めます。


大まかに特徴を書くと、

FIDの初期部分を強調すると、

 

メリット
・ S/Nが良くなる(感度向上)
デメリット
・ 線幅が広くなる(分解能低下)


FIDの終端部分を強調すると、

 

メリット
・ 分解能が向上する
デメリット
・ ノイズが強調され、S/Nが悪くなる


FIDの中期部分を強調すると、

 
メリット
・ シャープな成分を強調できる(分解能向上)
デメリット
・ FIDの初期部分の強度が落ちる(ピーク強度が落ちる)→定量性が失われる

などなどが挙げられます。

これらのメリット・デメリットを組み合わせて
目的に応じた処理を行ってください。



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2013年9月17日火曜日

アポダイゼーション 2 (Apodization)

そもそもアポダイゼーションって何?

Apodization : 足切り

と訳されます。

何を足切り?

FIDがデータ取得時間内に収束しなかった場合、
FIDの後半を単調減少関数で収束させることを
アポダイゼーション処理と言います。

つまり、FIDの後半部分を足切りしたということですね。

Mnovaでは、
FIDに関数をかける代表的な処理方法のアポダイゼーションを
コマンド名にしています。


日本語訳コマンドでは、
「アポダイゼーション(窓関数)」としていますが、















 






窓関数とは…

フーリエ変換というのは、
無限時間の信号に対して行うものですが、
実際にはそんな計算はできません。
そこで、適当な時間範囲の信号に対して計算を行います。

その適当な時間範囲の時間波形(NMRの場合はFID)を窓に見立てて、
様々な関数を掛けて処理していきます。




 







窓に対してかける関数処理なので、窓関数と呼びます。


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2013年9月13日金曜日

アポダイゼーション 1 (Apodization)

プロセッシング行程

FIDに
・ドリフト補正
・トランケート
・窓関数(アポダイゼーション)
・ゼロフィリング & 線形予測
を施し、

フーリエ変換 時間波形から周波数波形に変換

横軸を周波数 or ppmに返還したら、
・位相補正
・ベースライン補正
・スムージング

の中の窓関数(アポダイゼーション)とは何をしてるのでしょうか?


フーリエ変換する前のFIDにある関数(窓関数)を掛けて波形を変えます。




 








なぜ、関数をかけて波形を変えるのでしょうか?

関数を掛けてFID波形を変えると、
S/N比を向上させたり、スペクトルの分離を良くしたりすることができます。


こういった利点があるので、
関数をかける(窓関数(アポダイゼーション))というひと手間かけて処理します。


このFIDにかける関数というのはいくつかあるのですが、
各関数の使い分けはまた別途。


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2013年9月12日木曜日

言語設定

Mnovaでは複数の言語を切り替えて使用することができます。

編集 \ ユーザ設定 \ 一般タブ \ インターフェース ¥ 言語
 (Edit \ Preferences \ General Tab \ Interface \ Language)
で使用する言語を切り替えます。

選択できる言語は
English
Spanish
Japanese
Russian
Chinese
の5つから選択できます。






















日本語で使用する場合は、
Japaneseを選択し、OKボタンを押します。

その後、Mnovaを再起動すれば、
コマンドが日本語に切り替わって使用することができます。

しかし、
新たなプラグインや新たなコマンドで
日本語が不十分や不適切な場合があります。

システムプラスからMnovaをご購入いただくと、
それらの問題を解決した日本語訳でMnovaを使えるようにいたします。

実は・・・
「システムプラスの日本語訳でMnovaを使いたい」
我々からご購入いただくユーザも多くおられ、
好評をいただいてます。


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2013年9月11日水曜日

プロパティ (Properties)

グリッドの線太さや色、ラベル文字のフォントや大きさ等々、
スペクトル上のあらゆる特性の変更をプロパティ (Properties)で行えます。

・メインメニュー 編集 \ プロパティ (Edit \ Properties)
・スペクトル上でダブルクリック
・スペクトル上で右クリック \ プロパティ (Properties)

のいずれかを実行すると、
ダイアログボックスが開きます。



 



















プロパティ (日本語使用の場合)

















 





 Properties (英語使用の場合)


ちなみにユーザ設定画面同様、上記プロパティは
システムプラスよりご購入いただいたMnovaユーザのみが
使用できる画面です。


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2013年9月10日火曜日

ユーザ設定 (Preferences)

他のソフト同様、Mnovaでもユーザが使いやすいように設定を変更できます。

メインメニュー 編集 \ ユーザ設定 (Edit \ Preferences)を実行すると、
ダイアログボックスが開きます。
 












  




 




ユーザ設定 (日本語使用の場合)


















 




Preferences (英語使用の場合)


 

ここで操作に関する各種設定を変更することができます。

ちなみに、上記ユーザ設定画面は
システムプラスよりご購入いただいたMnovaでの画面です。


 

また、スペクトルのフォントやグリッドの変更は
メインメニュー 編集 \ プロパティ (Edit \ Properties)で行えます。


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2013年9月9日月曜日

自動スペクトル帰属 (自動アサインメント)

Mnova NMRとPredict Desktopを組み合わせれば、
自動アサインメントで
ピークシフト位置、積分比、マルチプレット解析まで
あっという間。
コマンドをワンクリックするだけ。

これまで十数分かかっていたスペクトル帰属が
数分で終了させることができます。

この時間短縮を積み重ねていくと、
大きな人件費コスト削減につながることになるでしょう。


Mnovaは便利すぎて、デモに行くと営業先で
「勉強にならん!」や「スペクトル帰属の基本が身につかない!」など言われてしまいます。

しかし、この時間短縮による人件費コスト削減は
無視できるものではないと確信してます。

この点を重視して、ご購入ご使用いただいているユーザ様もおられます。

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2013年9月6日金曜日

トランケート

プロセッシング行程

FIDに
・ドリフト補正
トランケート
・窓関数(アポダイゼーション)
・ゼロフィリング & 線形予測
を施し、

フーリエ変換 時間波形から周波数波形に変換

横軸を周波数 or ppmに返還したら、
・位相補正
・ベースライン補正
・スムージング

の中のトランケートとは何をしてるのでしょうか?

Truncate : 切り捨てる
Trancation : 切り捨て

いったい、何を切り捨てているのでしょうか?

トランケートを実行後のFIDはこんな感じ。



 











 なぜ、こんなことを?

トランケートが活躍するのは、
FIDが0まで減衰する時間の長い化合物を測定するときです。

化合物によっては、長時間かかってようやく0に収束するFIDになることもあります。
例えば、待ち時間を5秒取って測定をしているとします。
しかし、5秒ではFIDは完全に減衰しておらず、
減衰途中で次の測定のパルスが照射されていまいます。
そうすると、正しいスペクトルが得られません。

では、FIDが収束するまで待ち時間を多くとって測定すれば良いのでしょうか?
もちろん、これが一番良い方法なのですが、
それでは一つの化合物の測定に時間がかかってしまいます。

数回の積算を重ねてS/N比を向上させたいので、
パルス照射から次のパルス照射までの時間を多くとりたくないという事情があります。

FIDの前半はスペクトル情報が多く含まれますが、
後半はノイズが大きな影響を与えてしまいます。

そんなとき、FIDの後半を思い切ってトランケート(切り捨てて)してしまいます。
FIDのデータ収集時間内に収束しないものを、強引ですが0に収束させてしまいます。

このまま、フーリエ変換すると、
ピークの両端にギザギザが発生してしまい、これまた正確な解析ができません。

ですので、ゼロフィリングと線形予測が必要になります。



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2013年9月5日木曜日

ドリフト補正

プロセッシング行程

FIDに
ドリフト補正
・トランケート
・窓関数(アポダイゼーション)
・ゼロフィリング & 線形予測
を施し、

フーリエ変換 時間波形から周波数波形に変換

横軸を周波数 or ppmに返還したら、
・位相補正
・ベースライン補正
・スムージング

の中のドリフト補正とは何をしてるのでしょうか?



FIDの中に直流成分が乗ると、FIDの中心が0からずれて観測されます。
FIDの振動の中心または、減衰し終わった後の信号が0からズレているということです。
(0に収束するのが望ましい)

このずれを補正することをMnovaでは、「ドリフト補正」と呼んでいます。
 

なぜこの「ドリフト補正」を行わなければならないかというと、
FIDの中心が0からずれたまま、フーリエ変換を行うと、
スペクトルの観測中心に偽物のピークが現れます。

この偽物のピークを「アーティファクト」と呼びますが、
アーティファクトがあると、解析するときにの本物のピークの邪魔になります。

ドリフト補正を行い、フーリエ変換前にFIDの中心を0にしておくと、
偽物のピークが現れることがありません。


最近は測定時の設定で、
FIDの中心がずれることなく測定することもできます。
データ処理する前のFIDを見て、
FIDの中心が0でないこと(ずれていること)が確認されたら、
「ドリフト補正」を実行してください。




「ドリフト補正」と同じことを「DCオフセット除去」などと表現されていることもあります。
NMRでドリフトというと・・・
測定中に静磁場のドリフトが起こらないように、
「NMRロック」と呼ばれる手法で静磁場のドリフト補正を行なっています。
このドリフトと紛らわしくなっています。

Mnovaは測定に関わらない、測定後のスペクトル処理ソフトウェアであること、
DC (Drift Current 直流電流)が関連していることから、
Mnovaでは「ドリフト補正」という言葉を使っています。




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2013年9月4日水曜日

プロセッシング

Processing:加工、処理と訳されています。


NMRスペクトル処理では
取得したFIDを適切に加工・処理するということになります。


適切に処理・加工したデータは
その後の解析の正確さに影響を及ぼします。


では、そのFIDを適切に処理・加工するとは、
何をやっているのでしょうか?

FIDに
・ドリフト補正
・トランケート
・窓関数(アポダイゼーション)
・ゼロフィリング & 線形予測
を施し、

フーリエ変換 時間波形から周波数波形に変換

横軸を周波数 or ppmに返還したら、
・位相補正
・ベースライン補正
・スムージング

を行って、解析前にデータを整えます。


生データをいじくり回したものを使って、
正しく解析できるのか?といった印象を持つかもしれません。
しかし、必要です。

特にフーリエ変換後の
位相補正 と
ベースライン補正 は重要です。

それぞれの操作は、何を行っているかというのは別途説明します。


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2013年9月3日火曜日

マルチページ ソフトウェア 2

構造解析を行うときに、
1つの化合物に対し、
複数のNMRスペクトル(1H, 13C, 2次元相関など)が必要とされることがあります。

スペクトル一つ一つに名前をつけて保存し管理しなければなりません。

Mnovaでは、1次元の1H, 13C, 2次元のスペクトルをインポート、解析することができ、
拡張子.mnovaというたった一つのファイルに全てをまとめて保存管理することができます。





 














化合物ごと、またはプロジェクトごとに、
NMRスペクトルをまとめることができるのは非常に便利です。


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2013年9月2日月曜日

マルチページ ソフトウェア 1

Mnovaの操作性は格段に良い!と評価をいただいています。

その理由の一つとして、このマルチページ ソフトウェアであることが挙げられます。

ようするに、
マイクロソフトのパワポ (パワーポイント)と同様のユーザインターフェースを持っているからです。





 















パワポは、かなり多くの方がプレゼンまたはレポート作成するのに使った経験があるはずです。
初めてMnovaを使用する方も、抵抗なく使用開始できるのです。

初めてのソフトウェアを操作するとき、
「ちゃんと使いこなせるだろうか?」
「操作方法を間違えて大事なデータをダメにしないだろうか?」などなど、
不安があるはずです。

そこでユーザがMnovaを立ち上げて最初に目にする画面が、
使ったことのある画面に似ていると、安心感を与えられます。
実際に使えば、なおさら。

初めてのソフトウェアを操作するうえでのハードルが超えやすくなっています。

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