2013年9月5日木曜日

ドリフト補正

プロセッシング行程

FIDに
ドリフト補正
・トランケート
・窓関数(アポダイゼーション)
・ゼロフィリング & 線形予測
を施し、

フーリエ変換 時間波形から周波数波形に変換

横軸を周波数 or ppmに返還したら、
・位相補正
・ベースライン補正
・スムージング

の中のドリフト補正とは何をしてるのでしょうか?



FIDの中に直流成分が乗ると、FIDの中心が0からずれて観測されます。
FIDの振動の中心または、減衰し終わった後の信号が0からズレているということです。
(0に収束するのが望ましい)

このずれを補正することをMnovaでは、「ドリフト補正」と呼んでいます。
 

なぜこの「ドリフト補正」を行わなければならないかというと、
FIDの中心が0からずれたまま、フーリエ変換を行うと、
スペクトルの観測中心に偽物のピークが現れます。

この偽物のピークを「アーティファクト」と呼びますが、
アーティファクトがあると、解析するときにの本物のピークの邪魔になります。

ドリフト補正を行い、フーリエ変換前にFIDの中心を0にしておくと、
偽物のピークが現れることがありません。


最近は測定時の設定で、
FIDの中心がずれることなく測定することもできます。
データ処理する前のFIDを見て、
FIDの中心が0でないこと(ずれていること)が確認されたら、
「ドリフト補正」を実行してください。




「ドリフト補正」と同じことを「DCオフセット除去」などと表現されていることもあります。
NMRでドリフトというと・・・
測定中に静磁場のドリフトが起こらないように、
「NMRロック」と呼ばれる手法で静磁場のドリフト補正を行なっています。
このドリフトと紛らわしくなっています。

Mnovaは測定に関わらない、測定後のスペクトル処理ソフトウェアであること、
DC (Drift Current 直流電流)が関連していることから、
Mnovaでは「ドリフト補正」という言葉を使っています。




http://systemplus.co.jp/mnova/

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