2013年10月1日火曜日

ゼロフィリングと線形予測 (Zero Filling and Linear Prediction) 1

まずは、ゼロフィリング。
文字通り、ゼロで満たす・・・訳ですが、どこに?なぜ?


FIDの終端、減衰し終えた後に、
振幅0のデータを付け足します。

振幅0のデータを付け足すことで、どんな良いことがあるのでしょうか?


フーリエ変換後スペクトルのデジタル分解能が向上します。
デジタルデータなので、スペクトルは点の集合です。
この点を多くすれば、デジタル分解能が上がるわけです。

また、
時間波形→周波数波形のフーリエ変換すると、
周波数波形のデータ点数は、時間波形のデータ点数の半分になります。
フーリエ変換すると、実部と虚部に情報(データ点数)が分かれるからです。

・データ点数が時間波形の半分になる
・FIDは0に収束している
のだったら、FIDの終わりに0のデータをいっぱい付け足してしまえば、
解析データの情報を損なうことなく、分解能が向上できるということです。

各シグナルの分解能が良くなるので、
多重スペクトルの微細な部分を詳細に分析できたり、
正確なシグナル強度が測定できたりします。

データ点数が多く必要な2D測定では、かなり有用な処理です。

Mnovaで、
メインメニュー プロセッシング \ ゼロフィリングと線形予測のコマンドを実行すると、
このようなダイアログボックスが開きます。


 

Mnovaではデフォルト設定で、
FIDのオリジナルサイズ(データ点数)の2倍が選択されます。


 

オリジナルサイズの2倍が、ゼロフィリングの一般的な目安になります。

ゼロフィリングを実行すると・・・


 オリジナルFID

 
 ゼロフィリング後FID


線形予測は次回で。


http://systemplus.co.jp/mnova/

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