まずは、ゼロフィリング。
文字通り、ゼロで満たす・・・訳ですが、どこに?なぜ?
FIDの終端、減衰し終えた後に、
振幅0のデータを付け足します。
振幅0のデータを付け足すことで、どんな良いことがあるのでしょうか?
フーリエ変換後スペクトルのデジタル分解能が向上します。
デジタルデータなので、スペクトルは点の集合です。
この点を多くすれば、デジタル分解能が上がるわけです。
また、
時間波形→周波数波形のフーリエ変換すると、
周波数波形のデータ点数は、時間波形のデータ点数の半分になります。
フーリエ変換すると、実部と虚部に情報(データ点数)が分かれるからです。
・データ点数が時間波形の半分になる
・FIDは0に収束している
のだったら、FIDの終わりに0のデータをいっぱい付け足してしまえば、
解析データの情報を損なうことなく、分解能が向上できるということです。
各シグナルの分解能が良くなるので、
多重スペクトルの微細な部分を詳細に分析できたり、
正確なシグナル強度が測定できたりします。
データ点数が多く必要な2D測定では、かなり有用な処理です。
Mnovaで、
メインメニュー プロセッシング \ ゼロフィリングと線形予測のコマンドを実行すると、
このようなダイアログボックスが開きます。
Mnovaではデフォルト設定で、
FIDのオリジナルサイズ(データ点数)の2倍が選択されます。
オリジナルサイズの2倍が、ゼロフィリングの一般的な目安になります。
ゼロフィリングを実行すると・・・
オリジナルFID
ゼロフィリング後FID
線形予測は次回で。
http://systemplus.co.jp/mnova/
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